'96年11月
「ザ・ファン」96/11/1
ストーカ・サイコものというので期待していたんですが、主演がデ・ニーロ
だし…、でも、期待はずれでした。何しろ、まるで恐くない。あんまりストー
カらしくないし、どちらかというと、デ・ニーロ演じるサイコ側に共感出来て
しまったりする(^^;)。デ・ニーロの悲哀ある中年男の演技がよすぎるんです
かねえ?多分、そういう意図で作られたのだと思いますが、やはり徹底的にス
トーカものにすべきだったんじゃないかなと思いました。
ファンというので恐いのなら、「ミザリー」の方がずっと上。
ナイフを握った時のデ・ニーロのキレた演技はちょっと恐い。
「エディー・勝利の天使」96/11/9
ウーピー・ゴールドバーグ主演のプロ・バスケット映画。
一人の熱狂的ファンのウーピーが、ひょんな事からどん底のニューヨー
ク・ニックスの監督に就任し、人気を得ていく…。
ハリウッドのプロ・スポーツものって、なんでこうワンパターンなんだ
ろう…(^^;)、最下位の成績のチームに主人公が入って、なんやかんやで
快進撃、優勝戦まで行ってクライマックス(^^;)。裏では買収の企み。こ
の映画もそんなワンパターンだけど、結構面白いのが悔しい(^^)。
ウーピーはそれほど活躍していないかな。でも、軽快なテンポでお気楽
に観られます。
そういえば、NBAを舞台にした映画って初めてな気がするけど、以前に
あったかなあ??
「レスリー・ニールセンのドラキュラ」96/11/9
「裸のガン」シリーズのレスリー・ニールセンが主演。監督はメル・
ブルックス。
本物のドラキュラ通りのストーリ、登場人物も同じでパロディにして
いるのですが、あんまり面白くなかった…、なんか退屈でした。
ギャグとしては「裸のガン」レベルなんですけど、ちょっとテンポが
悪いし、ノリが悪かった。
「バーチャル・ウォーズ2」96/11/16
前作の」バーチャル・ウォーズ」もかなりしょうもない映画だったけ
ど、2になってもやっぱり同じ(^^;)。監督も変わっているんだけど。
CGとか、話もちょっと派手にはなっているけど、根本的に子供だま
し。ストーリも世界観も陳腐で退屈。
CGの場面が多くなったのは、単にコストが下がったせいかな(^^;)。
前作は、キング原作ですが今度のは無関係。まあ、前作のキングの
も、下地が一緒なだけですが。
「ファーゴ」96/11/16
観ながら、これの監督って誰だったか忘れていたんだけど…コーエンで
した。今度はコーエン兄弟じゃなくて一人みたいだけど。
で、この映画は気に入りました。実話らしいですが、簡単に言うと偽装
誘拐がどんどんと泥沼にはまりこむ話。ブラックな話なんですが、奇妙な
語り口で引きつけられます。非常にうまい。
今、一番のお勧め。
「パリのレストラン」96/11/16
この映画、前評判がやたらにいいですね。すごく混んでいるし。
前評判だけに期待が高かったので、それほど面白い気はしなかった。
まあ、並の出来ではあります。
閉店が決まったレストランの最後の晩餐に集まった人々の話。料理
と、回想シーンで展開していきます。
不満の第一は料理シーンが少なかった事で、まあ、これは個人的趣味
(^^;)。次に、キャラクタの書き込み方がそれほど面白く無かった。この
映画の面白さ自体は、そこなんですが。主人公のシェフだけはなかなか
よかった。他は、どうも人間的魅力に乏しかった。
「Dear フレンズ」96/11/10
デミ・ムーア製作、主演。少女版「スタンド・バイ・ミー」と評されるけ
ど、確かに非常に似ている。4人の少女の一夏の話。だだし、ストーリとして
は、「スタンド…」ほどの深みはなかった。
子役はどれも、凄く魅力的だった。特に、「アダムス・ファミリー」の長
女、クリスティーナ・リッチがいい。
実は、一つ話に乗り切れなかった理由が、現代の4人と少女時代の4人の組
み合わせがどうも噛み合わなくて混乱してしまったトコがあります。だって、
あのクリスティーナ・リッチがあんなになってしまうんて、どうも信じられな
い。ポスターでも散々見ているはずなんだけど…。これから、見る人は、そこ
の所、ちゃんと把握してから見ましょう(^^)。
下水道のシーンが、どうなるか判っていながら感動的だった。「IT」などキ
ングのホラー小説に、子供が恐がる下水道の怪物のイメージが出てくるけど、
確かに米国の下水は恐い事が判った(^^;)。
「マッド・モンク」96/11/16
香港映画。単館でレイト・ショーのみというマイナー公開。でも、主演のチ
ャウ・シンチー人気という事でかなり混んでました。
ストーリは、神様が悪人、娼婦、乞食の3人を悔い改めさせる賭けをすると
いう、実にマジメそうな話なんだけど、ま、これがハチャメチャで場当たり的
なギャグの塊でいかにも香港映画的。素直に、シンチーのギャグを楽しむ映画
でしょう。
「エスケープ・フロム・L.A.」96/11/24
どうせ、ジョン・カーペンタが監督(^^)、B級映画として楽しめれ
ばいいやと思ってましたが、確かにB級映画。驚いた事に結構面白い
(^^)。いかにも彼らしいチープさはあるんだけど、なかなかスカっと
する映画でした。前作「ニューヨーク1997」より好きだな。
金がかかりそうな特撮シーンをチープなCGでごまかしたり、その作
りものっぽさが、逆にいいです。カート・ラッセル演じるスネークの
古くさいヒーロー像も楽しい(^^)。
L.A.の各所が舞台になるんですが、そのパロディが楽しい。L.A.に
行った事があると楽しめると思います。ビバリーヒルズ、ユニバーサ
ル・スタジオ、チャイニーズ・シアター、ローズ・ボウル(多分…、こ
こだけ行った事ない)、ロング・ビーチのクィーン・メリー、ディズニ
ーランド…、各地の末路が笑えます(^^;)。
クレジットによると、主演カート・ラッセルが脚本にも参加してい
るらしい。確かにかっこいい演出が多い。ラスト・シーンなんか、か
なり意外な展開でよかった。
「大統領のクリスマスツリー」96/11/27
いやー、これだけ内容の無い映画を、よく引き延ばして2時間近くにしたも
んです。偉いのはそこだけ。つまらないストリーリにくさい演技を、ニューヨ
ークの風景カットで薄めただけ。奥山が監督をやっているだけで、つまらない
のは分かり切っているんだけど。
鷺沢萌の原作ってどういうのでしょう??
クリスマスにデートでこれを観て盛り上がろうなんて思わない方がいいで
す…(^^;)。「ブラックジャック」の方がまだマシ。
「戦火の勇気」96/11/4
非常に地味な作品ですが、凄く面白かった。大ヒットはしないでしょうが、
これはお勧めです。
湾岸戦争のトラウマに悩むデンゼル・ワシントンが、名誉勲章候補のメグ・
ライアン演ずる将校について調査する。
非常に硬派なドラマ。事件を知る人々を訪ね歩く、回想シーンの積み重ねで
ドラマを作り上げていくところは、黒澤の「羅生門」を思い出させます。その
回想シーンの微妙な食い違いを、少しづつときほぐしていく展開に引きつけら
れます。
いや、いい映画でした。
メグ・ライアンは、「プライベート・ベンジャミン」の時のゴールディ・ホ
ーンを思いださせる風貌でした(^^)。
「インデペンデンス・デイ」96/11/30
お正月ロードショーの大物。…米国の大ヒットを引きずって日本でも大
騒ぎですが、あんまり期待してませんでした(^^;)。監督が、「スターゲー
ト」のエメリッヒですからねえ。「スターゲート」は宣伝だけで興業を作
り出す(^^;)、マリオ・カサール=ハリウッドの詐欺師(^^;)の製作で、予想
通り宣伝はバツグン、内容ナシの映画でした。
その息のかかったエミリッヒ。期待度はゼロでした。
結局のところ、全体を金がかかったB級映画として観れば楽しめるでし
ょう。一流のものを期待してはいけない。ほとんど、古いSFもののパロデ
ィばかりですし、展開も月並み。世界的な驚異だというのに、話は北アメ
リカしか出てこないし、避難の仕方とか日本の怪獣映画そのままです。
ぴあかなにかで「宇宙戦争」の敵壊滅の理由と、「インデペンデンス・
デイ」のラストを比較してましたが、ここはパロディとしては高度だなあ
と思いました(^^)。実行の仕方がちょっと無理矢理だけどあと、「ロズウ
ェル事件(1947/7/8)を引っぱり出してくるところなんか、UFOマニアが喜び
そう…。
凄く混んでいるみたいです。
「クリスマス黙示録」96/11/30
これは拷問の様につまらないです。
元宝塚の天海が主演で、そのファンも来ていましたが、ま、そういう関係じ
ゃ無い人にはまるでお勧め出来ません。
日本人女性刑事がアメリカで爆弾魔を追う話ですが、まあ、とにかく話にな
らないほどつまらないです。設定も、キャラクタの魅力も何も無いです。
劇場によっては「クライング・フリーマン」と同時上映。
「クライング・フリーマン」96/11/30
小池一夫&池上遼一の原作。先行で上映していたフランスでヒッ
トしたニュースを聞いていたので、楽しみにしてました。監督の
クリストフ・ガンズは、ジャパニメーション・マニアらしくて、
この原作も好きだとか。
確かに原作のイメージをいまく活かしていて、なかなかよかっ
た。映画を観た後に、原作を読み返してみたのですが、驚くほど
そのまま(^^;)。舞台は微妙に変えてありますが、ほとんど原作が
絵コンテそのままになっている部分まであります。凄い凝りよう
というか(^^;)。
足で食事するシーンを楽しみにしていたんですが、それはなか
った(^^;)。やはり出来なかったのでしょうか…。
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